人形(パペット)を作ってみよう①分類
「人形」と聞いてイメージするのは、どんなものでしょう?
最近はフィギュアが一般化し、男女とも広義での人形を持っている人が増えました。
それは、特定のシーンの再現、キメポーズのまま飾っておくものですが、ここで
作るのは「自分で動かせる人形」です。例えばこの写真、10年以上前に作った
糸あやつり人形、いわゆるマリオネットです。実物はかなり小さく、手足のパーツが
軽すぎて操作しにくいという難物でした。しかも、糸が絡んだりして保管が面倒。
今回は、別の方式で作ってみます。
動かせる人形の分類
①ハンドパペット
袋状のボディーに手を入れて、口や手を動かすもの。片手で動かすものや、両手を使うものがあります。某英語番組のクッキーを食べるモンスターが、両手タイプです。
軟らかい「布」で作られるのが大半。広い意味なら、腹話術や獅子舞もこれですね。
手の動きを直接伝えられるので、表情豊かに操作できるのが特徴です。
②ハンド & ロッドパペット
上記のハンドパペットに、細い棒(針金)で操作する手足を付けたもの。
最近ではポイントカードのCMに出てくる、黄色い鳥の兄弟が有名。
他には公共放送に出ている、ネズミの衣装を着たネコもこれです。
操作は少し難しくなりますが、表情は豊かな方式と言えます。
素材は布や木が主で、口の開閉が間接的なリンク式か、ハンドパペットのような
直接式かで、性格が大きく異なります。文楽人形もこれに該当します。
③ロッドパペット
一般的には、下から伸びた棒の先にボディーと頭が、別の2本の棒の先には手がついて①②より細やかな動作を表現できるもの。ヒョウタン型の島の話に出てくるタイプ。
中国の影絵や、インドネシアの人形劇がルーツの様です。
細かい表情を出すため、口や瞼の開閉、眉毛の上下などのギミックを仕込んだものも。
変わったものでは、背中に直角に(後ろに向かって)付いた1本の棒のみで操作する
タイプもあります。
サイズは大きいのですが、長崎の蛇踊りもロッドパペットの一種です。
④マリオネット
いわゆる「あやつり人形」です。上から糸で吊った頭や手足を動かすもので、操作は
一気に難しくなります。人形の上空を常に空けておく必要があり、また表情を作る
ギミックを組み込めないため、「しぐさ」で感情を表現する難しさは最高ランクです。
元は頭の上から突き出た一本の棒で操作する単純なパペットが、多彩な表現を求めて
変化したそうです。
また例外的に、ひもを下から引いて操作する高山からくり人形も、この分類ですが
ギミック優先のため、操作の自由度は下がります。
⑤オートマタ
機械式のプログラムで一定の動作をする「自動人形」です。動力が手動でも、ゼンマイ
でも(水力や火力であっても)そう呼ぶ様です。(動力としてなら電気もアリかも)
日本では、からくり人形と呼ばれています。
例えばカムのリフト量や、位相の角度やギア比などで周期的な動きに「ストーリー」を
持たせているのですが、部品交換で、別の「ストーリー」を演じさせられるものも
あります。あくまで機械式の記憶(プログラム)であることが前提。
(電子部品のメモリーで動作するものは、ロボットです。)
今回は③、ロッドパペットを2点作ります。
まずは最もシンプルに、次はギミックを仕込んだものとなる予定です。